職人の技
毛皮製品において大切な工程である鞣し(なめし)。
動物の皮は、生ものなのでそのままにしておくと腐敗や劣化が進みます。
その腐敗や劣化を防ぐために樹液や種々の薬品を使用して行う。それが、鞣しという工程です。
なめしは方法やその日の調子の違いにより、革製品の出来上がりに影響してきます。
その影響が大きく出ないためにも、職人それぞれのこだわりが込められている重要な工程なのです。
鞣しは下記の手順で行われています。
1 原皮輸入
2 原皮の乾燥または塩漬
3 水漬
(乾燥状態にある皮部に十分吸収させ
生体時に近い状態に戻す。24時間)
4 裏打
(手またはフレッシングマシンを使用し
皮面に付着している不要な肉・脂肪を除去。
重厚な部分を適当な皮の厚さに削り、均一な状態にする。)
5 水洗
(毛についている汚れや脂肪部分をソーダ、石鹸で洗い落とす)
6 脱水
7 浸酸
(皮中により、酸可溶性タンパク質の溶出を促し
ソフトな皮部を得る。皮のpHを酸性側に下げて鞣製薬品の浸透を促進させる。)
8 みょうばん漬
(乾燥状態にある皮部に十分吸収させ、生体時に近い状態にする。24時間)
9 脱水
10 乾燥
11 水打
12 裏すき
(皮部を縦横に伸ばし革製品を仕上げ機でほぐす。)
13 空打
(毛や革に付いている余分な油分や薬品、
汚れなどをオガ屑に吸収させて除去する。)
14 ペーパーがけ
15 毛皮ぬめし完成